FLOWER PRINCESS
勝手にしてはいけないことだと思うが、
なんだかバラがかわいそうで、
ミラはポーチの中からバラの種を取り出し、
そっと咲いている赤いバラの隣に植えてやった。
「もう少しで、あなたにお友だちができるわよ。今は寂しいかもしれないけど、それまでは我慢してね?」
そっと優しく、バラに話しかける。
「あら、早く抜け出さないと。」
ミラはバラに向かって軽く手を振り、
その場を過ぎ去っていった。
「このお城、どれだけ大きいのかしら。」
行きは馬車に乗ってエントランスまで行ったため、
距離が長いことに驚くミラ。
やっと門についたとき、
『ミラ様っ!何をしているんですか!?』
執事のルナに見つかってしまった。