FLOWER PRINCESS


ミラはそのままバスルームを出た。

「いないわね。」

部屋を見渡したけれど、

ジゼルは帰ってきてない。

ミラは、イスにかけてあったタオルケットを持ち、部屋を出た。

なるべく、城の人に怪しまれないように歩くミラ。

通り過ぎる人は気にもせずにただミラに向かってお辞儀する。

「ふぅ。やっと着いた。」

目の前にあるのは玄関のドア。

今はたまたま衛兵の交代中なのか誰もいない。

重いドアを開き外に出る。

ミラは、ドアを閉めて走り出す。

行き先はあのバラのいる噴水へ。
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