踊れ その果てで

 長机に腰掛けた3人は、コーヒーの入った紙コップを傾けて会話を交わす。

「仕事を辞める?」

「うむ」

 その男は、戒の言葉に小さく頷いた。

 眉をひそめて見つめる男にやや笑みを浮かべ、白髪交じりの髪を軽く整えて続ける。

「もう年だ。これ以上は体がついてこん」

 寂しげな微笑みに視線を外した。

「戒、私の名前は、瀬木 理(せき おさむ)という」

「何故……」

 驚いて目を見開き、烈を凝視する。
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