踊れ その果てで
「さすがだね、戒」

<ごたくはいい>

「はいはい」

 言いもって、真仁は画面に映し出される戒に恍惚(こうこつ)な眼差しを向ける。

「……っ」

 戒は左腕に眉をひそめた。

 男の銃弾がかすったらしく、コートに赤い染みを作っている。

 血縁同士の殺し合い──それが行われるのは明日だ。

 イレギュラーとして参加するハンターは、それぞれの組織から10人ほどだと言っていた。

 今度こそ、俺は死ねるのか?

 最後のクローンの胸にナイフを埋めながら、戒は複雑な瞳を見せた。
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