踊れ その果てで
「……」

 無骨な灰色のコンクリートで造られた1階のみの建物の並びを確認し、素早く駆け寄る。

「ヒッ!?」

 背後から女の口を塞ぎ、その細い首にダガーの刃を滑らせた。

 鮮やかに飛び散る血しぶきが、前のめりに倒れ込む女の背後にいた戒にもその跡を残す。

 それでも、男の表情は変わらなかった。



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