踊れ その果てで
しかし──モニタールームはもうすぐというところで足が止まってしまった。
「行ってどうするんだよ」
真仁になんて言うのかなんて考えてないし。
どう言っていいのかも、自分が何を言いたいのかも解らない。
真仁を見たら、訳の解らないことをまくし立てるだけのような気がしてきた。
そもそも、どうしてそこまで戒のことで自分がしゃしゃり出るのか訊かれても応えようがない。
「だめだねこりゃ」
翼は、静まりかえった通路で溜息混じりに薄く笑った。
どうにもまとまらない自分の感情に、つい飛び出してきたものの、吐き出せない苦しみに自身の胸ぐらを掴む。
「何やってんのかなぁ、僕は……」
溜息を吐いて肩を落とし、自分のアパートに足を向けた。