踊れ その果てで

「随分とタンパクなんだねぇ」

 少し拍子抜けしたように直貴はつぶやいた。

「がっつかない処がいいんだよ」

 そこまで戒にご執心(しゅうしん)とはね……真仁の言葉に半ば呆れる。

 本気でアッチの趣味に走りかねないんじゃないかと身震いした。

「ボクを変態にするなって」

 目を向けず応えられ、誤魔化すようにポリポリと頭をかいた。


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