踊れ その果てで
 この時代、クローンは臓器移植のためのものとして作成を許可されている。

 そして、貧困層にある者たちはその細胞を売り日々の生活の糧にしていた。

 売買された細胞をどうするのか──そこからクローンを作成し、狩りの獲物として『牧場』に放つのである。

 金持ちたちは、獲物が殺される様を眺めて満足する。

 彼らの満足のために、『ハンタードッグ』という職業が生まれた。

 ハンタードッグはクローンを1人殺すとポイントが与えられ、殺していくごとにポイントが加算される。

 そのポイントに応じて、彼らには報酬が与えられる。

 金のため、夢のため──思いはそれぞれだ。

 ハンタードッグを雇っている組織はいくつか存在する。

 戒はそのうちの1つと契約していて、組織のシステムは各組織によって異なる。
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