踊れ その果てで

「さすがだね」

 青年は、戻ってきた戒に両手を広げ笑顔で迎えた。

 直貴はすでに帰ったあとらしく、戒は一度も直貴と会った事はない。

 戒は、無言でヘッドセットを外してデスクに乗せる。

「ああ、そうそう」

 立ち去ろうとした戒に、真仁が思い出したように発した。

「君が見た双竜ね、どうやら弟は風俗店のクローンにご執心だったみたい」

「! それで何故ああなる」
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