踊れ その果てで
 途中、ホームレスたちが暖を取るため炎のくべられたドラム缶に、持っていた赤子の遺体を投げ入れた。

「?」

 ホームレスたちは何を入れられたのか解らずに首をかしげるが、戒は構わずに過ぎ去る。

「死ぬべき者が死ぬ訳じゃない」

 神などいやしない。否、神に自由にされる事が許せない。

 だから、「神などいない」と言いたいのだ。

 その心の奥底では、神に願っているというのに──


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