寵愛姫 1
「…信じられない…」
私の後ろでボソッと
龍がつぶやいたのを
私は見逃さなかった。
「何が信じられないの??」
「あの連司が…
女子と普通に喋ってる…」
龍は放心状態に
陥ってしまったらしく
何を言っても無駄っぽかった。
仕方ない。本人に聞くか。
武はなんか自分の世界に
入ってるっぽいし…
「ねぇ…」
「あぁ??」
「そうなの??」
「何が。」
「女子と喋らないの?」
「…知らねぇ…」
そう言ってタバコを
吸い始めた。
ムカ…。
腹が立ったから
タバコを取り上げて
綺麗に消してやった。