寵愛姫 1


男は黙って
こちらを静かに
睨む。


「…ちっ。うぜぇ女…」


そう吐き捨て
殴っていた彼を
捨てるように投げ
黙って去って行った。


私はその男が
立ち去ったのを
見届けた後
地べたにしゃがみこんだ。


「はぁ~緊張した~」


でも…
私は正論を言ったまで。


間違った事は
してない…よね…??


うわぁ~
なんか不安になってきた~


転校初日から
こんなトラブル
あっていいの!?
ねぇ!?どうなのッ!?


「ゴホッ…ゴホッ…」


横で咳をしている彼。


「あ…」


そうだ…彼の存在
すっかり忘れてた。


彼、重症だよね…相当…


< 8 / 40 >

この作品をシェア

pagetop