寵愛姫 1
男は黙って
こちらを静かに
睨む。
「…ちっ。うぜぇ女…」
そう吐き捨て
殴っていた彼を
捨てるように投げ
黙って去って行った。
私はその男が
立ち去ったのを
見届けた後
地べたにしゃがみこんだ。
「はぁ~緊張した~」
でも…
私は正論を言ったまで。
間違った事は
してない…よね…??
うわぁ~
なんか不安になってきた~
転校初日から
こんなトラブル
あっていいの!?
ねぇ!?どうなのッ!?
「ゴホッ…ゴホッ…」
横で咳をしている彼。
「あ…」
そうだ…彼の存在
すっかり忘れてた。
彼、重症だよね…相当…