寵愛姫 1
「えっと…大丈夫??」
とりあえず口から
血が尋常じゃないほど
出てるのでハンカチを
差し出す。
それを受け取って
私を見た彼が
目を見開いた。
「…??」
「…遥さん…??」
″さん″…??
「あの…」
「俺ですッ!!祐太ですッ!!」
祐太…??
誰…??
「ごめん…あなたのこと…
知らないんだ・・・」
「あ…そうでした…
すみません。俺、
あなたに逢えてついつい
あがっちゃって…」
まただ…
また…私は
哀しい顔をこの人に
させてしまった。
誰も悲しまなくていいように
この学校に来たのに。
ここでもまた…
私は…人を傷つけてしまった。