あなたのベッド【完結】
「なんで・・・泣いてる?」



「なんでもないってば!」


空の近くにいるのは

あたしじゃない・・・




そんなことで

こんなに涙がでるの?




「寧々!!!」



ガシッ!

両腕を掴まれる。




「俺には言えないの?」

そんな顔しないで



悲しそうな顔・・・しないで




「寧々?顔あげて。」




うつむいたまま
あたしは顔をあげられなかった



「やだ…」


ふりしぼった小さな声は
空に届いただろうか…



「はな…して…」




いつからだろう…

気付けば空に隠し事ばかり…



今までは

一番素直になれる相手だったはずなのに



何がかわっちゃったの…?




そっと空が手を離した


何かがかわってしまった




気付きたくなくて…



ずっとずっと

気付かないフリをしていたのかもしれない



幼なじみでいたほうがいい気がしていた




だって…


これ以上近づいたら

いつか離れるときがくるかもしれない。





いやだよ…





「ごめん。
もう…聞かないから…」


それだけ言って


空は部屋からでていった
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