あなたのベッド【完結】
繋いだ手が解かれて
空がポケットから何かを取り出した




「約束。」



小さな包みを差し出しそう言った



「なに?」



「開けてみて」


更に前に出された包みを受け取って
あたしはかじかむ手で開けていく



ゆっくり開かれた箱には
小さな雪ダルマ。



・・・え?




「これ・・・」




思い出されたことのない記憶を探っていく



それは遥か彼方の記憶



ーーー「王子様が雪だるまのネックレスくれるの」ーーー



幼稚園の頃

友達が持っていた雪だるまのネックレスが羨ましくて
そんなことを言った気がする


小さなあたしの

小さなお姫様の物語

だったんだと思う



「空。これ・・・」



「今どき、雪だるまのネックレスなんて探すの大変だったんだぞ。
かなり走り回ったんだからな。」



「・・・だから・・・遅れたの?」



何も言わずにそうだと言う空の瞳。




「なんで?」

どうして雪だるまのネックレスなんか・・・


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