ラスト・プレゼント
第1章 出逢い




この門を通れば…


この学校の生徒になったという証になる。


……なのに私ときたら、なかなか通らないで立ち往生している。


っていうか、これじゃあ不審人物に間違われちゃいそう!?


緊張して一歩がなかなか踏み出せない…。


あーっ、もう!!誰か助けてよっ!!


……って言ったって、誰も助けてくれるわけないって。


さっきから立ち往生してるのには、ちょっと理由があるんだけどね。


そもそもその人物が来ないことには始まらないんだけど!


ったく…入学式の日は"絶対一緒にこの門を通ろうね!"なんて、自分から誘っておきながら寝坊したなんてありえないよ…。


どこまでマイペースなやつなんだろう…まったく。


ポケットの中で携帯が鳴り、すかさず取り出す。


……寝坊したあいつだ。


『もしもし…』


『もしもし、さつき!?

ごめん!大事な日に寝坊しちゃって!』


『本当にね!

あんたはいつになったら来るのよ!?』


『もうすぐ着くって!

あっ、いたいた!!今行く!』


私は電話を切って、またポケットにしまい込んだ。



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