糸を手繰って
放課後になって帰る支度をしていると、なぜか自分の糸が淡く光りだした。


なんだかイヤな予感がする。


慌ててリンカを急かそうとした所に、教室の前の扉からでっかいものが入ってきた!


更に光りだすあたしの赤い糸!


また逃げ出そうと後ろの扉にそーっと近づこうとしたら!


『ミチカ!ちょっとどこ行くの?』


リンカに捕まってしまった。


大きめの声を出したリンカに、教室に入ってきていた大男が案の定声をかける。


『リンカ!迎えに来てやったぞ!』


『ヨッシー。ありがとー。じゃあ、帰ろっか。』


『あ、あたしはココで…』
どもりながら去ろうとしてみた。


『なに言ってるの?一緒に帰るんだよ。』


有無を言わさないリンカ。


ですよね〜、と思いながらも足が動かないあたしに、リンカはため息をついた。


『ヨッシーをちゃんと紹介するから。お願い。』


『うん。わかった。』


金縛りはまだ解けないけど、そーっとヨッシー先輩を見た。


やっぱりデカイ人だ。


先輩もわずかに微笑みを浮かべてこちらを見ていた。


とりあえず愛想笑いで会釈しておいた。


廊下をあたしとリンカが並んで歩き、ヨッシー先輩は後から付いてくる。
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