糸を手繰って
『ミッチー、俺も“オトモダチ”はヤダ。今決めた。』




だったら、あたしたちはこの先関わることがないね。

心に風が吹いたけど、血の気が引いたけど、自分で言ったことだから、そうしないと。


右手小指を触って、やっぱり“運命の赤い糸の相手”ではなかったんだ、と言い聞かせる。


糸も心無しくすんで見えた。


無言が続いて数分。

リンカが突然、『あたし帰るね!おじゃまみたいだから。』とわけのわからないことを言って去ってしまった。


うつむいていた顔を上げて勇気を振り絞って先輩を見た。


『あたしもそろそろ…』


『あ、ちょっと待て。』


先輩は真面目な顔で引き止めた。


『なんですか?もう話すこともないですよね。』


『まぁまぁ。それに敬語。やめてって言ったよね?俺ミッチーに壁を感じるのイヤだし。』


先輩の言ってることがわからない。
オトモダチはイヤで、壁があるのもイヤってどうなのよ。
どっちなの?


『けど…』


『あぁ!そんなことより俺ちゃんと言わなきゃだな!』


突然吠える先輩にびっくりしてしまった。


あたしはヘンな子だけど、先輩も相当おかしな人だ。
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