糸を手繰って
とっても居心地悪いよ。


だけどヨッシー先輩は話があるみたいだし勝手に消えるわけにいかないな。


話し掛けて良いものか迷いながらモジモジしていると、やっとヨッシー先輩が気付いてくれた。


『ミッチー放置してごめん。コイツもう帰るらしいから。』


不満そうなナルセ先輩だったけど、『今度ジュース奢れ』なんて言いながら帰ろうとしている。


『ミチカちゃん、またね!ヨシをよろしく〜。』


手を振った先輩に、思わず振り返して『バイバイ』って言ってしまった。


親しげにしてしまったことに気付いて慌てて頭を下げて『あ、すみません!失礼します!』と言い直した。


顔を上げると先輩たちは爆笑していた。


またこのパターン?!


あたしって笑われすぎじゃないの?


一通り笑い終えたナルセ先輩は爽やかに去っていった。


なんだか気疲れした。


大好きなはずの先輩と話せたのに、それにあたしの名前を知っていたなんてうれしいはずなのにね。


複雑なキモチに戸惑ってしばらく考えた。


『ねぇ、ミッチー!聞いてる?』


いつの間にかヨッシー先輩は目の前に居てあたしの肩を叩いていた。


余りの近さに思わず飛び上がって後退りしようとしたのに。


ヨッシー先輩は手を離してくれなかった。
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