糸を手繰って
校内に入るとほんの少しだけ赤い糸が光っている人が見えてきた。
反対にカップルだけど光ってない人たちもいて、なかなか面白い。
下駄箱でスリッパに履き替えていると、リンカが肩を叩いてきた。
『ねぇねぇ!ナルセ先輩だよ!』
『え?どこどこ?!あ!ホントだー。朝から見られるなんてラッキー!!』
リンカが指差した方を見ると、目下あたしの片思いの相手であるナルセ先輩が見えた。
友達とふざけ合ってる先輩…だけどカッコいい。
メンズ雑誌の読モをしてて、バンドも組んでる先輩は校内外問わず人気だ。
叶う恋じゃないって分かってるけど、つい目で追ってしまって、他の男子なんか目に入らないんだ。
先輩と赤い糸がつながってたらいいのにな。
でも、見るのが怖い。
繋がってなんかない、って思っても期待しちゃう自分もいたりして。
あぁ、どうしよう。
迷って足が止まっているあたしを、リンカは勘違いしたのかからかってくる。
『まーた見惚れちゃってさ。話したこともないのに、緊張するほど好きなの?』
『あ、いゃ、うーん…。』
『顔赤いよ。テンパりすぎー。ほら行くよ!』
反対にカップルだけど光ってない人たちもいて、なかなか面白い。
下駄箱でスリッパに履き替えていると、リンカが肩を叩いてきた。
『ねぇねぇ!ナルセ先輩だよ!』
『え?どこどこ?!あ!ホントだー。朝から見られるなんてラッキー!!』
リンカが指差した方を見ると、目下あたしの片思いの相手であるナルセ先輩が見えた。
友達とふざけ合ってる先輩…だけどカッコいい。
メンズ雑誌の読モをしてて、バンドも組んでる先輩は校内外問わず人気だ。
叶う恋じゃないって分かってるけど、つい目で追ってしまって、他の男子なんか目に入らないんだ。
先輩と赤い糸がつながってたらいいのにな。
でも、見るのが怖い。
繋がってなんかない、って思っても期待しちゃう自分もいたりして。
あぁ、どうしよう。
迷って足が止まっているあたしを、リンカは勘違いしたのかからかってくる。
『まーた見惚れちゃってさ。話したこともないのに、緊張するほど好きなの?』
『あ、いゃ、うーん…。』
『顔赤いよ。テンパりすぎー。ほら行くよ!』