【短編】秘密な愛詩
その後。

帰り道。

それから、龍紀が私を家まで送ってくれる事になった。

「後一つ、俺は友達を恋人にのめり込んで、なくした。

文音には、そういう経験させたくない。

お昼一緒に食べる人が居るなら…その人と食べて欲しい。

俺は、お前が嫌なら奈月とは一緒に食べない。

でも、文音にはなくして欲しくないんだ。

友達を。」

愛されてる。

って今なら感じられる。
「私、龍紀の気持ちわかったから、私龍紀を信じる。
奈月ちゃんも龍紀にとって、友達なんでしょ?」

「ぁあ」

「じゃぁ、大事にしてあげて。」

ニコッ
と、笑ってそう言った。

「やっぱり、俺の最愛の人だよ。文音は。」

嬉しそうに、龍紀も笑った。

「後、もう一つ聞いても良い?」

はにかんだ顔で問いかけてくる、龍紀。

「良いよ。何?」

「文音って、どっちが良かった?」

「どっちって?何が?」

「……キス…だよ。

初めと2回目の。」

…え?

…キ……キス?

「あっっ!!」

今思い出した…私ファーストキスしちゃったんだ。

急に、赤くなった私。

「もしかして…忘れてた?

それとも、もう1回希望されますか?」

龍紀がまた、私をからかいだした。

「もう…じゃあ、もう一回?」

私の精一杯の愛の形。

「えっ…冗談だったんだけど…。」

そう言った龍紀の顔は、沸騰寸前のヤカンみたい。

龍紀から言っといて、それはないでしょ。

プッッ

私は、笑った。

そして、今度は私から。

チュッ

とした。

いつもならからかわれる側の私。

こういう日もあって良いよね(笑)

私は、龍紀のはにかんだ顔が見れた3回目のキスが良かったよ。




これは、龍紀には内緒だけど(笑)






~END.01月18日~
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