【短編】秘密な愛詩
ガラッ

自分の教室のドアを開ける。

窓側の一番後ろの席には、龍紀が頬に手をつき窓の外を見ている。

私達は同じクラスです。

朝は、挨拶。
って事で。


「りゅ…」

私がそう声をかけようとしたのと同時に、

「おはよ。城内君。今日も太陽まぶしいね。」

と、にこやかに、龍紀に話しかける奈月(ナツキ)の声が私の声と重なった。

そして、私の声は打ち消された。

奈月は、茶髪でいかにもギャルって感じの女の子。

龍紀の前の席で、前々から思ってたけど、龍紀とは仲が良い。

ちょっとの事なのに、胸が痛い。


私嫉妬深いって、今初めて知った。


朝の挨拶をする事よりも、そっちの驚きが勝った。
そして、いつもしていた挨拶が出来なかった。
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