【短編】秘密な愛詩
その異変に気づいたのは、次の瞬間。

龍紀が、私を睨みつけたから。

そして、

「何?」

って、怒ってるような口調で言ってきた。

今まで浮かれてた自分が嘘みたい。

背筋に何か冷たい物が走った。

こんな龍紀見るの初めてだ。

そんな、不安定な私の元に


「文音ご飯食べよう。」

と、いつも一緒にお弁当を食べてる、隣りのクラスの真梨子(マリコ)が呼びに来た。

真梨子は、少しウエーブのかかった黒髪に、いつも落ち着いた瞳をしている。
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