モノトーン


綺麗に整った顔に短くて爽やかな髪型。

一言で言うと超イケメン!

なんかオーラが違うんだよ、オーラが。


『は、はじめまして。』
生徒を前に少し照れてるのか緊張なのか

その人は顔が赤かった。


『父の仕事の都合でこっちに越してきました。安住敬壱です、敬<ケイ>って呼んで下さいね!』

その転校生、安住くんの爽やかさはクラスの女子生徒ほとんどのハートを撃ち抜いた。


撃ち抜かれた被害者の中に晴香も含まれてる。

私は残念ながら撃ち抜かれなかった。


なんかウゼェみたいな?
キャラ作ってるみたいな?

そんな香りが彼からするんだよ。

こんなマンガみたいな事ってあるんだな、なんて思ってたら晴香が言ってた言葉を思い出した。


<恋はイライラ>


私今あの転校生にイライラした?

ウザいとイライラって同じかな?


もしかして一目惚れってやつなのかな…?


頭の中でグルグル同じ事を考えていたらその転校生、安住くんとバッチリ目が合ってしまった。


ニコッと微笑まれてしまい周りの女子は『佑希狙われたんじゃな〜い?』なんて残念がってたけど


私のハートはそれでもピンピンしていて綺麗に形を保ってる。


むしろあの営業スマイルに寒気がしたくらいなんだけどっ!?


あぁっ晴香っ。
なんかあの転校生おかしな気がするよ?

キモいってぇ〜…。



さっき芽生えかけた感情はやっぱり偽物だったんだ。

なんかちょっと安心♪
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