モノトーン
ベルトに手をかけると
『ダァッ!』とすっとんきょうな声をあげて佑希が俺の手を掴んだ。
『フツー下は脱がないわよ!』
んな事知るかし
ここ俺の部屋だし
「見なきゃいいじゃんか。」
『見なくても脱いでるのがわかるだけで嫌!』
「嫌なのは俺だわ!」
嫌と言われるとムキになるんだ。
今着替えたい。
カチャカチャとわざとベルトを外す仕草をすると
真っ赤だった佑希の顔は余計赤みを増していく。
ほんっとに昔からこんな感じ。
『後で着替えてよ、お願いぃ!』
「ヤダ、今着替えたい。」
『今って…あっ、ダメ!パパパ、パンツがぁっ!』
「見たのか、変態〜」
バタン…ッ
とまた戸が開く音がして振り向いた。
「うわぁっ!!何してんだよ兄ちゃん!佑希ちゃん!!」なんだ、尚大か…って
「『あ…』」
自分たちの格好を見て寒気がした。
上半身裸の俺に
ベルトを握る佑希…
「佑希ちゃん、兄ちゃん裸にしてどうする気なんだよぉ!!兄ちゃんも何デレデレしてんだよ、キモッ!!」
誰が見てもなんかそんな感じに見えると思う。
この感じだと尚大は俺たちの事を男女の仲だと思っちまうかもな。
ははっ
て、笑ってる場合か!
『違う!!違うよ尚大、これは違う!!』
佑希が俺から離れて尚大をぐわぁっと抱きしめた。
何してんだよ…?
『これは玲大が意地悪してね?』
「意地悪?」
『うん…!』
「兄ちゃんホント?」
尚大が確認するように俺を見つめる。
そのすぐ側で佑希も赤い顔のまま不安げに俺を見てる。
「ん…あぁ。ちょっとからかってただけだ。」
ちっ…
もう少し意地悪したかったり…。
な〜んだ、と俺のベットに腰かけて俺たちを交互に見ながらニヤつく尚大。
「二人さ、付き合わないの?」
「『はっ!?』」
なんで今更そんな事…!?