モノトーン
あれからしばらく経ったけど二人はどこに行ったんだろう…。
尚大の部屋からは何も聞こえてこない。
外出たんかなぁ?
にしちゃあ遅ぇな。
まぁ尚大がいるし
心配ないよな?な?
様子なんか見に行かなくても…いいよな?な?
気にしだすと止まらない。
俺を心配性にしたのもあの幼なじみのせいだ。
ちょっとだけ様子見に行ってみよ
ちょっとだけな?
全然心配してないって頭で言い聞かしてるのに
体はめちゃくちゃ焦ってる。
なんかあったらどーすんだよ?
まず物音ひとつしない尚大の部屋の戸を開けた。
…いない。
階段を滑るように駆け降りて玄関のドアノブに手をかけ
弾かれるように飛び出した。
なんか俺おかしい
アイツの為に走るなんて何回もあったのに
今日は違うんだ。
自分の為に走ってるのかもって後々思ったけど
この際誰の為でも構わない
佑希は暗いとこが嫌いなんだ
佑希は尚大には姉貴ヅラして弱いとこ隠すんだ
佑希は腹減ると人が変わったみたいに甘えだすんだ
俺以外に見せんな
甘ったるいお前も
それ以外のお前も
俺が一番よく知ってんだ。