モノトーン


朝見た佑希の悲しそうな顔は頭の中にずっといた。

あんな顔初めて見たから。


付き合ってもねーし
アイツは俺の事嫌いなのに

俺はアイツが気になって仕方ないんだ。


悲しい顔なんかみたくない。
佑希の笑顔はなんか持ってんだな、きっと。



何回でも見たくなるから。




苦しい。
走ってるからなのか佑希がいないからなのかはわからないけど。


胸が苦しい。
誰でもいいから楽にしてほしいぜ。







色んな所を走り回った。
近くの公園
佑希の大好きなコロッケがある商店街
尚大がよく行くスポーツ用品店

とにかく思い付くとこ全部探した。


二人のケータイに電話しても繋がらない。


まぁ尚大はあまりケータイ持ち歩かないからな。


佑希は電源切れてるみてーだし。



今来た道を走って戻る途中にふと思った。


佑希ん家だわ…って。



はぁーっ。

こんだけ探していなかったらそこしかねぇし。

てゆーかまずそこから探しますよね?(笑)


だいたい確信したんだけどさ

やっぱり本物見ないと安心できなくて走ってた。
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