モノトーン

第4話☆佑希Side



玲大がいないクラスはつまんない。

毎日放課後は下駄箱で待っててくれるのに

ありがとうも言えない。

こんな自分が嫌になる。



それでも玲大は黙って私についてきてくれる。



部屋で玲大に抱きしめられた時はホントにビックリしたんだから!

息切らして少し汗ばんだ玲大の腕の中で必死に泣くの我慢したんだ。



せっかく尚大に協力してもらって
それとなく玲大の事気になってるよ、みたいなさ?

伝えたくて
知らせたくて

玲大は私が好きなんて言ったらきっと迷惑だし

今のままでいいって急に思って…


あんな酷い事言っちゃった…。

玲大は私に背中を向けてたからわからないと思うけど
私はずっと見てた。
玲大の背中を。

謝らなきゃって思うのに言葉がでなくて震えた。

そしたら気持ちより先に涙が出てきてたの。

玲大に気づかれる前に尚大が手を引いて連れ出してくれたんだけど…。




部屋に戻れなかった。

嫌われる。
そう思ったら涙止まんなくて

こんな顔玲大に見られたら一瞬で泣いてたってバレる。

そしたらますます玲大に会えなくなって

時間ばっかり過ぎて

尚大付き合わせちゃって…
ごめん。尚大。

ホントいつも迷惑かけちゃうね。


玲大の顔はあんなに息切らしてたのに真っ白だった。

だから来てくれた驚きよりもそっちにビックリしたんだ。


酸欠じゃん!って。
< 27 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop