モノトーン


あれから大分たったけど忘れられないんだよなぁ。


今は体育祭の練習中。

私は体育委員だから、ここんとこ忙しいんだ。

まっ、今授業中だし?
三組合同だから玲大の事見放題だし♪


自分がアホヅラで走ってるところ見られてるなんて

玲大の奴気づいてないんだろうな(笑)。


走るのが速い玲大はリレーの選手を任されてる。

ずーっとリレーの選手
しかも決まってアンカーなんだ。

何気に楽しみだったりします私。


それに今年の体育祭は新しい種目も入って、まぁ忙しい忙しい!


借り物リレーと
障害物競走なんだけどね。

私は体育委員なのでリレーの練習には参加出来ずに障害物競走で使う跳び箱を運んでいます。


私も足には自信があるんだ。

私だってアンカー任されてるんだから♪


『佑希ちゃん♪』

「おぅ、敬くん。」

転校生の安住くんとも普通に話せるようになった。

『重そうだね?大丈夫?』
私が運んでる跳び箱を見て敬くんが首を傾げた。

「こんなの全然平気だよぉ。」

『女の子に運ばせるなんてできないから。』
貸して?って敬くんは跳び箱をひょいっと持ち上げた。

優しくて
言葉遣いも綺麗で

玲大がいなかったら惚れてるかも?

『黒谷、リレ選なんだってね?佑希ちゃんが知らない訳ないか』

まぁ知らない訳ないけど。

「アイツ足速いから♪」
なんてちょっと弾むように言っちゃった…。


『佑希ちゃんのクラスのリレ選は俺なんだからね?』
敬くんは私のクラスの男子代表リレーの選手でアンカーなんだ。

「うん。わかってるよ?」

『黒谷と走るんだから』

「二人共アンカーだしね?」

『応援してくれるよね?』

「そりゃあ?」

何が言いたいの?
回りくどくていやらしい。

『じゃあ、俺がリレーで一番とったら彼女になってよ』


ん…?
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