モノトーン


「ん?佑希ちゃん…?」

私を見て敬くんが赤い顔してた。


今の本気だったんだ…!


「け、敬くん…?」

『本気だから』

あ…本気ですか…。



「でもね?」

『黒谷が好きなんだろ?晴香ちゃんから聞いた。』



晴香のやつ〜っ。

『すんなり諦められるような性格じゃないんだ、俺。だからチャンス頂戴よ。』
目を見る限り嘘じゃないと思う。

「敬くんが一番とったら真剣に考えるよ。」

玲大、すっごく速いんだから!

『本気?』

「うん」

『…約束ね』


イケメンに告白されるなんて誉れでございます。

でも私は玲大がいい。


ニコッと笑って跳び箱を目的地まで運んでリレーの練習に参加する敬くんの後ろ姿をただ見つめる事しかできなかった。




敬くんの近くにいた玲大が私を見つけてこっちに走ってきた。


『佑希?』

敬くんになんか言われたのかな…?

『顔赤いけど…どーした?』

「んあっ?」

『い、いやぁ大丈夫なら別に…。』

「…ちょっと疲れただけ。」

『大丈夫か?少し休んだ方がいいんじゃねーの?明日本番だしさ。』

優しくしないでよ…。

「明日リレーでどうしても一番とりたいの!練習する!」

わざと明るく言ったのに

『なんかあったのか?』

なんて言うんだもん。


「明日…リレーで一番とらなきゃ口聞いてあげないから。」

不安になった。
玲大が負けたらどうしよう。

『は?』

「一番じゃないとダメだかんね!」

『ん…おぅ。』


自信なさそう。
ますます不安になるじゃん。


玲大のバカ…。
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