モノトーン
緩い坂道を上ると、俺達が通う高校はすぐ目の前。
今日から新しい教室に
新しい仲間と一年過ごしていくんだ。
ワクワクする♪
佑希とはまた席隣だろうから景色はあまりかわらないかも知れないけど?
先生たちに軽く挨拶しながら生徒玄関に貼りだしてあるクラス表を眺めた。
俺が一年世話になるクラスは3-2。
よろしくな、みんな!(笑)
弾む胸を抑えて隣にいる佑希を覗いてみた。
悲しい顔…してる?
『どーした?』
思わず聞いてみた。
えっ?と少し驚いて俺の目を見つめ、佑希はまた悲しく顔を歪めた。
「クラス…違うね?」
『俺たち?』
俺が聞き返すと佑希は自分のクラスを指さして「ん。」と教えてくれた。
ホントだ…。
初めて別のクラスになった。
佑希のクラスは3-3だから隣なんだけどなんか変な感じ。
「まぁ、ずっと一緒のクラスなんてありえないもんね?」なんて佑希は笑うけどさ?
俺には本気でお前がそう思ってるとは思えねーんだよな?
なんか…。
大丈夫かな、コイツ。
佑希は、じゃ。と先に歩きだした。
後ろをついて歩くけど…なんだろ。
俺は胸に残るモヤモヤと一緒に自分の教室に入ったんだ。