モノトーン


『恋すると女の子は綺麗になれるのよ?』

え…?

『佑希が悩んでた便秘だって治っちゃうかも。』

いや、それは大丈夫。
むしろお腹弱いから(笑)。

『恋に恋してもいいんじゃないかな、佑希?』

「恋…できるかな?」
自分でもなんでこんな事言ってるのかわからない。


『できるよぉ、佑希なかなかカワイイし!』

「ホントに?」

『ホントよ?』

へぇ。カワイイって言われて嬉しくない訳がない。

ちょっと恥ずかしいけど…。

「恋するとどうなるのかな?」

私の意味わからない質問にも晴香は優しく答えてくれた。


『なんかね、イライラするの。その人の事考えるとイライラが増して胸が痛くなる。』

胸が痛くなるのはマンガとかでもよく聞くけどイライラするなんて初めて聞いた。

「なんでイライラするの?」

『意識してるからよ♪』


もぉ晴香の言う事は難しくてわかんないよぉ。

そんな事思ってたらチャイムが鳴った。

春休みは短かったけどなんか久しぶりのチャイムの音。


二年の時と同じ担任で少し安心した。

その見馴れた担任の後ろには見馴れない男の子が一緒にいて

転校生だってすぐにわかった。
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