君の手。僕の手。

「俺タバコ買ってくるわぁ」

そう言って聡君は彩華を連れてタバコを買いに行った。

龍也と昂ちゃんと三人で話をした…。

「昂ちゃんは彼女作らんとぉ?」

「俺好きな子おるけんねー」

「誰なん?!」

龍也とあたしはニコニコして聞いた…

「言わんよ」

「何それー!つまらん!」

そう言いながら笑い合ってた…

「トイレ行ってくるわぁ」

龍也はその場から離れてあたしは昂ちゃんと二人になった…

「よかったなぁ」

「何がぁ?」

「龍也さん来たやん」

「ぅん…でもまた離れると思うと寂しい…」

「よぉ好きでおれるよな」

「ぇ…?」

昂ちゃんはあたしの腕をぎゅっと掴んだ…

昂ちゃんを見上げると何か言いたそうにしていた…

力強くあたしの腕を握っていた昂ちゃんの手が力を無くして離れた…

振り向くと龍也が来ていた…


何事もなかったように昂ちゃんは龍也と話をしていた。

彩華と聡君が戻ってきてあたしは彩華の腕を掴んで離れた場所で話をした…

「彩華…もしかして昂ちゃん?」

「えっ…何で?」

「さっき…腕掴まれたから…」

「でも本人から聞いたわけじゃなぃよ。ただ聡から聞いただけ…」

あたしは怖かった…

もし昂ちゃんをフッたらこうやってみんなで会えることもなくなると思ったから…


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