君の手。僕の手。


龍也達のとこに戻ってあたしはずっと黙ったままだった…

「眠い?」

龍也があたしの隣に座り込み話かけた。

「ぅぅん大丈夫」

「無理すんなよ?」

龍也はポンポンと頭を叩いて手を握ってくれた…

昂ちゃんを見ると目が合った…

数秒目が離せなくなった。

「あと4時間かぁ」

龍也は携帯を見て言っていた。

「龍也…帰らんで…」

あたしは昂ちゃんから目を離して龍也を見た…

「また会えるから…」

「やだょ…また一人になっちゃぅんだょ…?龍也がいないと寂しい…」

龍也の手を強く握り返して龍也を見つめた…

「龍也がおらんとやだ…」

わがままでごめんね…

でもそう思うのは当たり前でしょ…?

大好きな人が近くにいないなんて普通寂しいに決まってんじゃん…

いつも連絡とれなくてあたしは寂しいんだょ…?

龍也はわかってくれてる?

心の中で繰り返し龍也に質問した…。

でも聞こえるわけはなく龍也はただずっと頭をなでるだけだった…。

「次いつ会える?」

「まだわからん…」

龍也とあたしはしゃがんだまま会話をしていた…

「えっ?」

彩華がヒロ達のほうを見つめて言った。

その声にあたし達は立ち上がりヒロと結美のほうを見た…。



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