君の手。僕の手。


龍也は電話を切った…

黙ったまま見つめ合い…

バスのドアが閉まった…

バスが動き龍也はあたしをみらずに顔を逆に向けたまま手を軽く振っていた…

龍也が離れる…

また…一人になる…

行かんで…龍也…


我慢していた涙が溢れそうになりその場から逃げるように離れた…

バスセンターを出て…信号のとこまで行くと昂ちゃんがいた…

携帯が鳴り電話に出た…

「璃香今どこおる?」

「目の前…」

泣きそうになりながらしっかり歩くのも必死になりながら昂ちゃんのとこまで行った…

昂ちゃんは黙って頭をなでた…

「後ろ乗れ。」

ヘルメをかぶり昂ちゃんのバイクの後ろにのった…

昂ちゃんがあたしの手を握り前に引っ張って昂ちゃんを抱き締めるように手をまわした…

「泣きたいとき泣いとけ…」

昂ちゃんの言葉は優しかった…

バイクが走り出してあたしはずっと昂ちゃんの背中で泣いた…

「龍…也…ッ…龍…也…」

何度も龍也の名前を呼びながら泣いた…

その声はバイクの音で消された…

今日からまた…龍也はあたしと別の場所にいる…

今度はいつ会えるかもわからないまま龍也は帰った…

最後に渡した手紙には

"ずっとずっと一緒だよ。"

の文章を書いた…。

龍也は読んでくれたかな…。

離れても龍也が大好きだよ…

ずっと大好きだから…。

龍也の笑顔を思い出し…また泣いた…。


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