君の手。僕の手。
彩華の家に着きバイクを降りてあたしは座り込んで泣いた…
ここに龍也はいない…
苦しくて…会いたくて…さっきまで一緒にいたのに龍也の温もりはそばになくて寂しかった…
昂ちゃんは黙って隣に座って背中をさすった…
「…我慢せんでいっぱい泣けよ。」
「龍也…ッ…」
また前みたいにあたしは震えていた…
クリスマスなのに…龍也はいない…。
「預かり物」
昂ちゃんは泣いて震えるあたしの手を開いて何かをあたしの手の上に置いてまたぎゅっと閉じた。
「…な…に…ッ…?」
「龍也さんから渡してって言われた。開けてみ?」
ゆっくり手を開くとまた小さくおられた紙があった…
中身をまだ見ていないのに涙があふれて…
苦しくなった…
龍也…龍也…あたしは何度も泣きながら言った…
手紙を開くと龍也の字があった…
"大好きだけん"
小さな紙に書かれたたった一言…
見るだけで涙が溢れた…
涙が止まらず…ずっと泣きつづけた…
震えが止まり立ち上がって昂ちゃんと彩華の部屋に戻った…。
彩華達はいなくて昂ちゃんと二人きりになった…。
あたしはずっと携帯を眺めていた…。
龍也がいないショックは大きく何もする気がおきなかった…。