君の手。僕の手。
「璃香…璃香…」
誰かがあたしを揺すって起こした…
「電話…」
座敷は電気が消えていてみんな潰れて寝ていた…
携帯が光っていて電話がかかってきていた…
「もしもし…」
眠そうにあたしは電話に出た…
「もしもし?」
「ん…誰ぇ?」
「龍也!やっと繋がった!」
「んー…」
眠そうに返事をしたあたしに比べて龍也はガヤガヤした場所から電話をかけていた…
「今…何しよるとおー?」
「次の仕事場の人達と飲みよるよ!」
「そっかぁ…」
「この仕事卒業するまで続けて高校行くけん」
「…ぇっ!?」
「驚いたやろー」
「高校…行くん?」
「行くよ!こっちに来てから少しはそっちより学校行きよるし!」
「学校楽しい?」
「まぁまぁかな!クラスの3〜4人は俺と合う奴おるし…あ!こないだ話してなかったけど俺バンド組んだんよ!」
龍也は嬉しそうにいろんな話をしてきた…
その話を寝そうになりながらも聞いていた。
「もしもしぃ?」
急に電話の声が変わった。
「え?誰?」
「龍也の友達の田上って奴!璃香ちゃんでいいとたいね?うわぁ何か俺緊張!」
テンションが高めで少しうざいのが印象だった田上君…
「龍也のどこが好きなんすかーっ?」
ガヤガヤうるさい音にまぎれて田上君があたしに聞いた…。