君の手。僕の手。

どこが好き…?

龍也どこ…

正直見つからなかった…

龍也が嫌いとかじゃない…

普通でもない…

龍也のこと大好きなんだよ…

でも…

どことかわかんないよ…。

「もしかして嫌いなん?!」

田上君の声が耳に響き胸が張り裂けるくらい痛かった…

何も言い返せないままあたしは電話を一方的にきった。

だって龍也の全部が大好きで…

龍也がいるだけで落ち着くんだもん…

どことかわかんないよ…

店を出て外でずっと夜空を眺めた。

外は寒くて…震えるくらい寒くて…

頬を伝う涙が暖かかった…

「わかんないょ…」

下を向いて携帯を開いた…

"受信:龍也"

「電話切れてごめんな!」

違うよ…あたしが切ったんだよ…

あたし龍也の好きなとこも言えなかったんだよ…

彼女でいていいと…?

もぉわかんないよ…

こらえても涙が溢れてくる…拭いても拭いても頬が濡れて冷たい風が当たって痛かった…。


「璃香?」

振り向くと昂ちゃんがいた…

「風邪引くけん中入れよ」

「ぅぅん…外おりたい…」

「なら着とけ」

昂ちゃんは自分が着ていた上着を貸してくれた…。

「ねぇ…昂ちゃん…?」

あたしはゆっくり昂ちゃんに話しかけた…。


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