君の手。僕の手。

「ん?」

昂ちゃんはあたしの隣に座って首をかしげた…

「昂ちゃんはあたしのどこが好きなん…」

「好きなとこ?」

「ぅん…」

「わからん…でも好きつたい」

「好きなとこがないと好きって言わないのかな…」

「えっ…?」

「あたし…龍也が好きなのに…龍也の友達に好きなとこ聞かれて答えられんかった…」

震えた声であたしは昂ちゃんに言った…

「璃香が龍也さんのこと好きなら…好きって気持ちがあるなら好きなんだよ。誰に何言われても好きだろ?」

「ぅ…ん…」

あたしはずっと泣いてた…

龍也の好きなとこ…

全部が大好き…

昂ちゃんはあたしの頭をなでてくれた…

泣きやむまでずっと…



「戻るか」

あたしが泣きやんで昂ちゃんは立ち上がった…

入口を開けると暖かい風が当たった…

座敷に行って昂ちゃんはすぐ横になった…


「璃香が好きなら好きだよ。急に好きなとこ聞かれて答えられるわけないやん」

昂ちゃんはそう言って背を向けて寝た…


あたしも昂ちゃんに背を向けて寝た…

龍也の彼女でいていいのかな…

不安になり携帯を握ってあたしは寝ていた…

龍也の彼女でいいとかな…

あたし…龍也と別れたほうがいいのかな…

昂ちゃんと付き合えば毎日一緒にいれる…

龍也から離れれば龍也だってあっちで彼女つくれる…

あたしどうすればいいと…。



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