君の手。僕の手。
龍也と連絡が取れなくなって一ヵ月…
彩華とはちょくちょく連絡を取っていたものの会う気がしなかった…
この一ヵ月あたしは家族以外とは誰とも会っていない…。
もうすぐ龍也は卒業だった…
高校の発表は終わってるはずなのに連絡はこなかった…
きっと捨てられたんだよ…
だって遠距離だし…
連絡とらなきゃ自然消滅なんていつでも出来るしね…
こんなに龍也のことを思っている自分がばかばかしく思えた…
首につけた龍也からもらった指輪とネックレス…
小さなピンクのテディベア…
涙で汚くなった小さな紙…
龍也が送ってきた手紙…
龍也がくれたたくさんの保護メール…
龍也とキスしてる写真…
龍也が一緒に寝てくれたベット…
龍也の温もり…
あたしよりおっきぃ手…
いつも泣いたら頭をなでて頬を伝う涙を拭いてくれた龍也のあったかい手…
ねぇ龍也…
何で龍也は連絡くれんと…?寂しいよ…苦しいよ…
何度も何度も泣いた…
そして一枚の紙を出して龍也に手紙を書いた…
"龍也と撮った写真。送るの遅くなってごめんね"
ただそれだけを書いて写真と一緒に封筒に入れた…。
久しぶりに外に出てポストに向かった。
"ちゃんと返事がきますように…"
そう願ってポストに手紙を入れた…。