君の手。僕の手。

「はぁ…」

深いため息につまんなそうな顔。


一緒にいる友達は楽しくないだろうな…


と顔を見上げたけどつまんなそうなのは私だけみたい。


もう一度下を向いてジュースをすすった。


「名前、何て言うん」


顔を上げると少し怖めで学ランを着崩した人だった。


「璃香」


「俺、龍也!」


「あ、うん…」

"おもしろくなさそうやんな"と龍也は私に笑顔で言ってきた。


「…璃香ちゃん可愛いな!」

話を繋げるための褒め言葉。

きっと女慣れしとるんだろうね。


だけど…この人との会話が楽しかった。



「俺ら帰るわ」



そう言って2人が帰っていった。



残された龍也と私、彩華と男の人、4人でたわいもない会話を夢中に交わしていた。




リュウジへ連絡することすら忘れるくらい―…






結局その日はリュウジに連絡せず寝付いてしまった。


昨日はしゃぎすぎたせいか体が重くて起き上がれない。


携帯を開くとリュウジからの着信に彩華からの着信…

ってもう8時?!


急いで準備して学校に向かった。





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