君の手。僕の手。
正門をくぐり寝癖を気にしながら入り口に向かう。
「リュウジの彼女さーん」
その声に振り返ると女の先輩がいた。
「は?」
全く知らない先輩。
顔も名前もわからない。
「リュウジの彼女?」
「え?だけん何?」
"ちょっといい?"と笑顔で言われて不思議に思いながら着いて行った。
着いた部屋は部室のような―…
「ねぇ、リュウジの彼女なん?」
「うん、だけんなん?」
「お前1年だろ?」
「だけんなんですか」
会話にならない言葉だらけで苛立ちを隠せない。
「調子乗んなよ」
「へ?」
思わずぽかーんとした。
ほんの数秒間だったけど色んなことが頭に浮かんだ。
"1年だから調子乗ってる?"
"リュウジの彼女がなに?"
「ふざけんなっ」
ドンッ…
えっ?なに今の?
ぼーとしてたから何が起きたかわからなかった。
気づいたら倒れてた。
気づいたら…2人に押さえられていた。