君の手。僕の手。
むしゃくしゃしたまま家に帰るのは嫌い。
「あー!」
部屋に入り、叫びながらベッドに寝ころんだ。
携帯を開くと担任からの着信。
「もしもし」
「矢島!また遅刻か!」
「はぁー?もーキツい」
「わかったわかった明日は来いよ」
担任は電話を切り、私はすぐにメールがきてないか確かめた。
「璃香、今日休み?」
リュウジからのメール。
苛立ちを感じた。
あ、でもリュウジはさっきのこと知らないんだ。
「学校、行ったよ。でも坂本って人と言い合いになった。」
そう送るとリュウジは電話をかけてきた。
「璃香…坂本って3年の?」
電話にでた瞬間からそれ?
めんどくさそうに返事を「うん」と返した。
「俺の元カノだよ。大丈夫?」
その言葉の内容は簡単だけど、理解出来るんだけど…
なんで簡単に言えちゃうのかな―…
「もういい」
後を追うようにリュウジは言葉を投げつけた。
「ちゃんと別れるから!」
聞こえた言葉を最後に私は電話切って布団に潜り込んだ。