君の手。僕の手。
「うん、で…聡君って誰?」
嬉しそうな声の彩華と違って冷たい声で"聡君"が誰なのかを訪ねる。
彩華はわからないのが残念そうに"こないだの"と教えてくれた。
「でさぁ、聡君の連れが璃香のアド聞きたいらしくて…」
連れ?
「うん、わかった」
「りょうかーいっ」
彩華は高い声で返事をして電話を切った。
頭の中をフル回転させて一週間前を思い出す。
連れ連れ連れ
えっと…連れ?
ハッとして目を開けたら携帯が鳴った。
~♪
「龍也だよ!わかる?」
「なんとなくわかるよ!」
さりげないメール。
本当はあの日のこと覚えていた。
ただ今の私の気持ちじゃ盛り上がりにくい。
メールする指も力がない。
ただただ時間は過ぎていきいつの間にか毎日の連絡が当たり前になっていた。