君の手。僕の手。
―…あれからどの位経ったんだろう。
彩華と聡君、そして龍也と遊ぶことが増えていった。
久しぶりに学校に行き、上靴のないげた箱を開け教室に向かった。
彩華、来てるかな?
そういえば遊ぶことは増えてたけど学校の話なんかしなかったな。
ガラッ…
久しぶりの教室。
私が一歩踏み入れると今まで話していたみんなが一斉に振り返り黙り込む。
怖いとかそういう空気じゃない。
なにしてんの?と言った感じ。
亜由美の姿を見つけて私は口を開いた。
「ねぇ、彩華来てないの?」
「…璃香なんで学校いんの?」
思いもよらない返答に亜由美から視線をそらすことが出来ない。
「彩華の机ないでしょ?璃香の机も後ろに移動してあるじゃん?」
教室を見渡すと彩華と落書きしていた机はなくなっていて、私の机も後ろにあった。
「なんなんこれ」
「璃香、気をつけり。坂本と喧嘩したこと…話回ってるから」
教室を出て行こうとしたときに亜由美が小さな声で言った。
亜由美はみんながいる手前、強がって仲が悪い雰囲気を出していた。