君の手｡僕の手｡

右目の傷も気にせず彩花が泣きやむまでずっと背中をさすっていた…


｢なんでこんなことになってるの｣


彩華の口から放たれる言葉は涙に混じって何を言っているのかわからなかった。



それから何時間も話をした…

彩華が小学校の頃いじめられていたこと…

母親が小さい頃からいないこと…

彩華の話に涙したり笑ったり…

あっという間に時間は進んだ…

｢璃香…ケガ…病院行かなきゃ｣

｢んー…｣

｢知り合いのおじちゃんのとこ連れてってあげる!｣

それから血が顔について顔半分が血の色なのも気にせず二人ではしゃぎながら歩いた。

周りの目もかなり気になったが周りが振り返るたびに彩華と一緒に

｢うちら超注目されてんじゃん!?｣

｢こんな人に注目されんの人生初やし!!｣

｢こんなんで注目されてもじゃなぃ?!｣

とふざけた会話をしていた…


汚れた制服に汚れたカラダ。


血に染まった右目と､血を拭いた腕。


どう考えても二人でけんかしたような痕跡だった。