君の手。僕の手。
「聡ぃ!」
聡君は彩華の頭をなでて手をぎゅっと握った。
「仲いいよなぁ」
振り向くと龍也が後ろにいた。
「俺らも手つなぐ?」
「えっ」
顔が熱くなり変な汗が出た…
「何を想像した?」
そう言って龍也は馬鹿にしたように笑う…
「むかつく」
「ごめんごめん!」
龍也は黙って手をぎゅっと握り引っ張った…
「行くぞ」
先に行った二人にはぐれないように急いだ。
龍也は歩くのが早く私はついて行くのに必死だった。
「どこ行こうかぁ」
聡君が後ろを振り向く。
「んーカラオケとか?」
くしゃくしゃっと頭をかきにこっと笑った…
少し歩くと目的のカラオケについた。
「何歌うーっ?」
彩華は明るく聡君にくっついて画面を見つめていた。
少し離れて龍也の隣に座った。
「よっしゃーじゃぁ俺19歌うーッ」
そう言い聡君が曲を入れて歌っていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ龍也との距離もなくなりくっついて座っていた…
"落ち着く…"
いつの間にか龍也の膝の上に頭を乗せ寝ていた…少し目が覚めると頭をなでられているのがわかった。起きたいけど優しい手の温もりが眠りを誘う…
「んー…」
ゆっくり目を開け起き上がった。