君の手。僕の手。



慌てて落ちてきたアルバムの中の写真を一枚一枚拾った…

「あ…」

一枚拾った写真には幸せそうに笑う女の人と龍也の見たことのない笑顔があった…

彼女くらい…いるよね…

サッと手から写真が取られた…

「…」

「彼…女…?」

「んなわけねーじゃん!」

「絶対うそーっ!にやけてるぞっ!」

苦しい…痛いよ…

龍也は彼女いるのに私に優しくしてたの…?

「にやけてねぇし…」

龍也はキレたような顔で言った…

「…ごめん」

私は泣きそうになりながらも写真を拾った…

写真を拾い集めアルバムに挟み棚に置き直した。沈黙が続いたままお互い喋ろうともしなかった…

龍也はベットに寝て私に背を向けていた…

「龍也…」

私がゆっくりベットのほうへ行き龍也をゆすった…

「ねぇ龍也怒ってる…?」

涙目になり震えた声で龍也に聞いた。

その瞬間ガッと腕を掴まれ抱き締められた…

「んっ…」

「…待ってろよ」

「えっ?何が?」

聞き返すが返事はないまま強くただ強く抱き締められていた…

龍也の腕の中は居心地がいい…

龍也の腕枕で眠りについた私は龍也の服をぎゅっと握り締めていた…
 
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