君の手。僕の手。
「璃香、大丈夫?」
わけがわからないままぽーっとする私に彩華が声をかける。
「あ、うん‥あの人最後に笑ってた?」
「かっこいかったね」
確かにかっこよかったけど…でもなんなの?いきなり携帯とって…
まだ‥気づいてなかった。
あの人がどんな人なのか、この先何が起きるか…
でも、彼氏になったらってバカバカしいことを考えていた。
「じゃー璃香また明日ね!」
家につきバタッとベッドに転がり携帯を手に持つ。
誰やったんやろ…
名前も聞いてないし…
ただ、先輩の笑顔だけは忘れられなかった。
携帯の画面を眺めていると"受信中"の文字が光った。
"受信しました"
その文字に急いでメールBOXを開く。
「いきなり声かけてごめんな。誰かわかる?」
あ‥先輩だ。すぐにわかった。
「先輩ですか?」
「そう。名前はリュウジだよ!」
リュウジ先輩か…
それから先輩とたくさんメールをした。
学校で会えば手をあげて"よっ"と声をかけてくれる。それに‥かっこいい!
私はそんな先輩にどんどん惹かれていた。