君の手。僕の手。
リュウジは電話を切った。
"受信しました"
文字と共に携帯が光る。
重い指を動かして受信Boxを開きメールを見た。
「今別れたよ。璃香の答えはまだゆっくりでいいから。俺待つから」
龍也…
ベットに寝転び上を向き涙が流れるのを我慢した…
ちゃんと別れよう。
「今電話したよ。明日話してくるね!だから…それまで待ってて」
「わかった…」
龍也の返事を見て部屋の電気を消してコンポの音を大きくした。
何もかもを忘れたい。
切られた傷がスギッと痛かった…
龍也は傷のことに触れてこなかった…
気付いていたのだろうか?
リュウジはちゃんと別れてくれるのかな…
気付くと朝日が顔を照らしていた。
携帯を開くとリュウジからメールがきていた。
「今日夜10時からなら空いてるからそんぐらいにコンビニ来て」
ただそれだけだった…
夜まで何しよぉー…
考えることは龍也のことばかり。
携帯が鳴り電話に出た。
「もしもーし昂太だけど覚えちょる?」
「昂…太?」